千葉市 船橋市 精神科 心療内科 にじの空クリニック

トラウマ関連症状(急性ストレス障害、外傷後トラウマ障害)

うつ病や不安障害など、精神科の多くの疾患には、はっきりとした病因は述べられない中、この疾患だけは、その原因が診断基準にもなっています。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉は、大きな災害や事件があったとき、メディアなどで耳にするようになりました。もともとは、19世紀ごろ鉄道事故の心理的後遺症や第一次大戦時に砲弾恐怖症など、トラウマ反応として報告されたのがはじまりです。さらに1970年代以降米国のベトナム戦争帰還兵や、性犯罪被害の女性のトラウマ研究が進み、トラウマ反応とは、めったにない異常な反応ではなく、極度の危険に巻き込まれれば、誰にでも生じうる反応であると理解されるようになりました。
実際、震災などの災害、事故、犯罪などの被害者、また自身が遭遇していなくても、子どもや配偶者、近親者など近しい人が受けた著しい心的外傷についてみたり、聞いたりするだけでもトラウマ反応が起きることがあります。

 症状は、1)侵入症状(フラッシュバック):本人の気持ちと関係なく、その体験が侵入してくるようで、その時と同じ気持ちがよみがえる。2)過覚醒症状:侵入症状に伴って、あらゆる物音や刺激に対して気持ちが張り詰め、不安で落ち着かない、イライラする、眠れないなどの症状が続く。3)麻痺症状:かと思えば、体験の記憶や実感が乏しくなり、まるで人ごとのような、周囲から自分や自分の未来が切り離されたような感じがする、などがあります。また感情にも変化があり、抑うつ感、怒り、無力感、悲哀感が生じ、物事の考え方(認知)も、自分を必要以上に責めたり、世の中というものは、恐ろしく信用できないところだと思ったり、自分には何もできないと考えたりするようになります。

気持ちの問題以外にも、食欲がない、身体の痛みなどで現れることもあります。

こういう状態が続くと、人と会うことや、外出することがつらくなり、ひきこもりがちになり、ましてや困っていても適切なところに相談することすらできなくなってしまいます。

まずは誰かに話して、今の状態を自分で理解することからです。そして今何が必要かを知ること。ものごとの解決には、医師だけでなく、生活や経済的なこと、法律的なことの専門家に協力してもらうこともしばしばあります。市役所や保健師、警察、弁護士など、どういう助けが必要かも話し合ってみましょう。しかし決して無理することなく、「ご自分のペース」で、少しずつ進めていくことが大事です。まずは一歩踏み出してみてください。

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