千葉市 船橋市 精神科 心療内科 にじの空クリニック

自律神経を知ろう!

基本は自律神経

心療内科で扱う、ほとんどの疾患は、「自律神経」がかかわっています。

そもそも、自律神経ってなんでしょうか

図1をみてください。



図1


これは自律神経が、身体のあらゆる部位にいきわたって、コントロールしているという図です。

たとえば、気合いで心臓を止めてみろ、といわれても、止めることってできませんよね。

食事した後、(えっと、胃を動かして消化して、次に十二指腸に送って…)なんて、考えなくても、体が勝手にやってくれているわけです。「勝手に」、つまり意思とは無関係に体の機能を調整している神経が、「自律神経」なのです。自律神経が昼夜を問わず死ぬまで休まず働いてくれているからこそ、私たちは「生きている」状態を保っているのです。

 そして、自律神経の役割は、なじみのある心臓や肺、胃や腸などの消化器系臓器を動かすだけでなく、体温を調節するのに汗をかいたり、血圧をコントロールするのに、血管を拡張したり収縮したり、身体の隅々まで大忙しに働いてくれています。


 そして自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経から成り立っています。日中など活動しているときは、主に「交感神経」が担当し、また夜になって、リラックスしたり、睡眠など休息をとっているときは「副交感神経」が優位になり、体のバランスをたもっています。交感神経優位のときは、エネルギーを消費して、活発に臓器も動かします。副交感神経優位の時は、省エネモードに切り替えて、元気な状態に回復させる時間にしています。休んでいるときも、「怠けている」わけでなく、身体にとってはとても大事な時間なのです。

 ちょうど馬の手綱みたいに、交感神経と副交感神経が同じくらいの割合で働いているときは、体調にそれほど困ったことは起きないはずです。



ところが、この手綱のバランスが崩れると、各々の臓器が問題ないにもかかわらず、以下のような症状がおきてきます。


・突然動悸がする、脈が速くなる、脈がとぶ。なのに内科では異常ないといわれた。

・息苦しい、吸っても吸っても酸素がはいってこない気がする。喉がつまった感じがする。内科でも耳鼻科でも、異状ない、ストレスといわれた。

・吐き気がする、胃が痛い、下痢が続く…内科で一通り検査したのに、何も原因がわからなかった。

・耳鳴り、めまい、汗がとまらない、ふわふわした雲の上を歩いている感じ。

・だるくてすぐ横になってしまう。


とにかく、検査しても検査しても、何も見つからない。


それは、臓器そのものに問題があるわけではなく、それを動かし、調整している「自律神経」が乱れているからです。


では、自律神経がどうして乱れるのでしょうか?


交感神経>>副交感神経 または、交感神経<<副交感神経
のどちらかに、バランスが偏っているからです。


交感神経>>副交感神経の場合(こっちが圧倒的に多いですが)



働きすぎ
残業が多すぎて帰宅が深夜。睡眠時間が4時間くらい。そんな生活をしている人がいらっしゃいます。それが短期間ならまだ可能かもしれませんが、いつ終わるともわからない状況で、数か月もたてば、もう立派にご病気になられます。もちろん会社勤めじゃなくて、家庭のことが重なるとき、たとえば親の介護、子どものことやご近所トラブルなど、あれこれストレスが重なるときなどもあるでしょう。


これが続けば適応障害・うつ病・パニック障害になりやすいです。


緊張・不安が続いている
仕事のストレスや、家族のストレス、友人・恋人とのことなど、自分の身の回りの悩みが、いくつか重なったとき、たとえへとへとになるまで働いてなくても、また一つ一つのストレスがすごく大きなものでなくても、いつも考え事を順繰りにして不安な気持ちがつづいている。こういうときもリラックスして脳が休まるときがありません。


身体表現性障害・不安障害・うつ病・不眠症になりやすいです。

もともと緊張しやすい体質
養育環境やもともとの発達障害的な原因があることがあります。いろんな事情で、しっかり安心感に満ちた子ども時代を送れなかった経験があると、基本的に「この世は怖い、信用できないところ、自分を助けてくれる人はいないはず」という自分に否定的な感覚・考えをもちやすくなります。そんな感覚をもって生きていくのは、大変疲れることです。周りの人と同じことをしているだけなのに、緊張しやすいし、ちょっと助けてほしいときも声をかけられなくて、一人で仕事を抱えてしまう。人と話したあと、「あの人、私があんなこといって、変に思ってないかしら。嫌われてないかしら」と頭の中は大反省大会です。


親が精神疾患、アルコール依存症だったり、不適切な養育をされた経験がある方は相談してください。

また発達障害の方は、感覚が「過敏である」ことが特性ですから、音でも、視覚的にも刺激の多い現代の世の中は、外を歩くだけで、人と話すだけで、電車にのるだけで、大変疲れやすいのです。でも周囲に合わせて生活しようとしても、悪循環。自分がだめ人間だと思ってしまっている。


昔から、なんだか人と違うな、どうも人づきあいがうまくいかない、と思ったら一緒に考えていきましょう。


もちろん、上のいくつかが重なっていることもよくあることです。


副交感神経<<交感神経



ひきこもり生活

緊張感はないけど、朝からだらだらと昼夜の区別がないような生活をしていると、それはそれで体調に異変がきます。ひきこもって、昼夜逆転の生活をしていると、すっきりせず、頭は重く、すぐに疲れて身体はだるい。また横になって、さらに動かない生活が続くいている。

ときどき、朝体調が悪くても、ちょっと無理して仕事にいって、動いている間に元気になってくることって経験したことがありませんか?

適度な緊張感も必要なのです。

どうやって社会にでたらよいか、悩んでいたらぜひ来てください。

できることからやっていきましょう

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